土のエネルギーを引き出す農 加藤之弘さん・加藤恵子さん
地産地消にまつわる人々 VOL.12
地産地消にまつわる人々 VOL.12
みずみずしい野菜や果物を作り続けている人たちがいて、その恵みを私たちのもとへと届けてくれる人たちがいる――。東急沿線で地産地消に取り組む、さまざまな人たちを紹介します。
江戸時代から続く老舗農家三代目の之弘さんと恵子さん。これからの農家は作っているだけではダメだと、近隣の農家仲間と共に学校給食に野菜を納品したり、市内各所のマルシェ出店、食育イベントへの協力など多岐にわたった活動を行っています。妻の恵子さんも子育てがひと段落したことをきっかけにジュニア野菜ソムリエの資格を取得。野菜の味を追求する之弘さんと野菜ソムリエの恵子さんが二人三脚で地域の農業を盛り上げます。
農園がある横浜市都筑区の折本農業専用地区は、港北ニュータウンのすぐ隣。住宅地のすぐそばに、横浜とは思えない農園風景が広がります。年間50種類ほどの野菜を育てる加藤さんの日に焼けた顔は農家の証し。できるだけ農薬を使わず、土のエネルギーを引き出すことに力を注ぎます。
――地産地消の意識は、農業を始められた時からあったのでしょうか?
――地産地消の取り組みについては、具体的にどのようなものがありますか?
――小学校には講師として呼ばれることがあると聞きました。
――一緒に育てながら「食」の大切さと「地産地消」について学ぶのですね。
――大変な手間をかけ、ご自分たちで堆肥を作っていますが、堆肥へのこだわりがあるのですか?
――堆肥で作った畑のエネルギーがそのまま野菜のおいしさになるのですね。
――息子さんも就農され親子三代になりました。どのような農家になってほしいですか?
――息子さんの就農に続き、奥様も野菜ソムリエの資格を取られましたが。
――お話をうかがっていると、直売は野菜を買うだけではなく、野菜のことをいろいろ教えてもらえる場なんだなと感じます。
更新:2017年2月2日 取材:2016年10月~12月
加藤さんとの最初の出会いは、横浜市が開催している「はまふぅどコンシェルジュ講座」。初めて加藤さんが作った野菜を食べた時には、野菜のえぐみまでおいしいのに驚かされました。えぐみだけだと不快に感じてしまいますが、何かがバランスよく入っていて、それがおいしく感じさせているんじゃないかと。
おいしい野菜を作る方はたくさんいらっしゃるのですが、特に加藤さんの野菜は苦味もおいしい。堆肥も自分で作り、こだわった土作りをしているということで、そういった努力がきっと味にも出ているんだと思います。
一見怖そうに見える加藤さんですが、いつもダジャレを言ってばかりで、実は笑顔がとてもすてきな農家さん。奥様と一緒の時は、漫才を見ているよう。でもそういった遊び心も大事ですよね。そんな優しい人柄の農家さんが作る野菜なんだと思いながら、いつも調理しています。
直売所に出掛けて野菜がたくさん並んでいるのを見ると、それだけでうれしくなるという野菜好きの齊藤さん。料理だけでなく、現在は自ら保土ヶ谷区、神奈川区、港北区、都筑区の農家さんを回って採れたての野菜を仕入れ、月に2回、店頭で「野菜レストランさいとうマルシェ」を開催。野菜レストランを名乗っているので、おいしい野菜を皆さんに知っていただくことが自分の使命、だと話します。