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東急電鉄

「リノベーションまちづくり」ってナニ?

リノベーションまちづくり@東急池上線 VOL.1

全国的に大きな地域課題となっている、空き家や空きビルの増加。その課題に対し、東急電鉄がリノベーションを通じたまちづくりに取り組み始めました。まずはそのスタートとして、株式会社リノベリングの協力のもと、池上周辺エリアで1月・2月には3回にわたるシンポジウムが、3月には実践の場となる「リノベーションスクール@東急池上線」が開催されます。今回は、1月16日に行われた初回シンポジウムのレポートを交えて、「リノベーションまちづくり」についてお伝えします。

国や自治体からも関心を集めている“新しいまちづくりの手法”

初回となった今回は、池上線沿線の不動産オーナーやリノベーションスクールの受講を考える人など大勢が詰め掛け、立ち見が出るほどの大盛況に!
2015年に行われた「リノベーションスクール@豊島区」での、ユニットワークの様子。

池上周辺エリアは、老舗の店舗が連なる池上本門寺への参道、住居と工場が共存する「住工調和」の文化など、さまざまな魅力を持つ地域です。その一方で近年、工場の減少による就業人口の減少や、空き家の増加などの課題も出てきました。こうした池上周辺のエリア活性化のために期待が寄せられているのが「リノベーションまちづくり」です。

「リノベーションまちづくり」とは、空き家・空き店舗などの遊休不動産を活用することでエリアの活性化を図ること。商業施設などを建てる従来のまちづくりと比べて、今あるものを生かして街を変えるため、スピードが速く、収益性が高いのが特長です。実際に、空き店舗や空きビルに悩む地方自治体には、この手法で少なからぬ成果を上げるところが増えています。

そんな「リノベーションまちづくり」を加速させるのが、「リノベーションスクール」。遊休不動産の活用を通して街に新しいビジネスを生み出し、エリアの再生につなげていくための“実践の場”です。参加者は専門家の指導のもと、実在する空き店舗などを対象とした物件再生プランを練り上げます。最終日には不動産オーナーに向けて公開プレゼンテーションを実施。GOサインが出るとスクール後、実際に事業化に向けて推進していきます。そして、事業化の際には、ビジネスオーナー(テナント)と不動産オーナーをつなぐ、「家守(やもり)」としてプロジェクトを展開していくのです。

この「家守」とは、江戸時代に長屋を管理していた人たちのこと。店子の家賃の一部をもらう代わりに、店子の商売の世話や長屋の管理などをしていました。現代版の「家守」として、行政に頼らない自立型のまちづくりを行い、利益を出しながら街を変えていきます。

空き家や空き店舗は街の宝物。これを生かさない手はない。

建築家でもある嶋田さん。空き家急増を目の当たりにし、これからは新しく建物を造るのではなく、使われていない建物の使い方を考える時代になったと感じているそう。
シンポジウムでは、嶋田さんが初めて手掛けた北九州市小倉「魚町」の事例が紹介されました。成功の背景には、北九州市が掲げていた「小倉家守構想」という都市政策があったと言います。
まちづくりは、街のコンテンツづくり。最大のコンテンツは人だと言う嶋田さん。面白い人を見つけて育てるスタンスが大事だという意見に、多くの人がうなずいていました。

今回は株式会社リノベリング代表・嶋田洋平さんによる、「リノベーションまちづくり」についての解説が行われました。講演は他の街のさまざまな事例を交えながら進められましたが、特に強い関心を集めていたのが、北九州市小倉の商店街「魚町」の事例です。

かつては“東洋一”と称された八幡製鉄所の縮小により、北九州市の労働人口は大幅に減少。中心市街地にある「魚町」では、通行人も減り、空き店舗や空きビルが目立つようになりました。そんな中で、嶋田さんは「リノベーションまちづくり」を仕掛けます。

嶋田さんは、まず民間のまちづくり会社として「家守会社」を立ち上げます。そして、不動産オーナーから遊休不動産を借り、入居者を見込んだうえでの最小限の投資として、数年で回収できる費用分の改修工事をします。次に、カフェや雑貨屋、事務所などを開きたい若い世代の人たちを集め、払える家賃の額に応じてスペースを区切って貸与。若いビジネスオーナーたちが安く店を出せるようにしました。これによって、不動産オーナーは家賃収入を得ることができます。さらに、地元の人による店が多数オープンしたことで人が集まるようになり、街に新たなにぎわいを生み出すことができたと言います。

さらに嶋田さんは北九州市と「リノベーションスクール」を開催。これを機に新たなプロジェクトが次々と生まれ、エリア全体が活性化したそうです。「リノベーションまちづくり」が始まって5年、通行量は約3割増加、445人の雇用創出、さらに街の子どもの増加に伴い、長らく途絶えていたお祭りも復活したのでした。

嶋田さんは、空き家や空き店舗のことを街のポテンシャル(潜在力)で宝物だと言います。「空き家だらけの街は変化の可能性に満ちあふれています。これを生かさない手はありません」。さらに、「街にいないと思われている人の拠点をつくること。遊休不動産の活用を、新しい雇用の創出と同じ次元で考えることが大事」、「建物単体で考えず、地域の人・モノ・出来事など周辺のコンテンツとつないでエリアで考える」、「不動産オーナーが決意し、建物の使い方を変えることができれば、地域の課題解決に貢献できるうえ、もうかる」などなど。まちづくりの現場をけん引してきた嶋田さんならではの、聞き応えのある言葉が飛び出す講演となりました。

次回は2月1日、実際に街で活動する不動産オーナーを招き、街における不動産オーナーの役割などを聞くシンポジウムが予定されています。

更新:2017年1月30日 取材:2017年1月

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