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東急電鉄

WISE Living Lab(6) リビングラボ勉強会 vol.2 ~リビングラボを知ろう!やってみよう!~

ヒト・コト・モノがつながる場

たまプラーザの美しが丘公園に隣接し、地域住民・行政・大学・企業などが連携してまちづくりを進めていくための場としてオープンした「WISE Living Lab(ワイズ リビング ラボ)」。横浜市と東急電鉄が推進する「次世代郊外まちづくり」の情報発信や活動の拠点としても期待されているWISE Living Labの“ヒト・コト・モノ”を、イベントレポートやインタビューでお伝えします。

「リビングラボって何?」から「今度は自分たちでやりたい!」へ

最近コペンハーゲンIT大学からデンマーク工科大学に移られた安岡さん。北欧の事例を美しい街並みの写真を使って解説してくれました。
質疑応答タイムでは、自らがリビングラボに関わるという視点のもと、地域の人や企業など、さまざまな立場の参加者が発言。
藤本さん(左)とHivelab(ハイブラボ)のメンバー。会場には英語が飛び交い、楽しい雰囲気の中でワークショップが展開されました。
相手の興味関心を掘り下げて、どうしたらその人を町に呼ぶことができるかを考えます。Hivelabのおしゃれなツールも目を引きました。
アイスブレイクタイムでは、グループごとにオリジナルのモンスターを考えました。メンバー同士があっという間に打ち解けます。

2018年1月26日、第2回リビングラボ勉強会がWISE Living Labで開催されました。前年9月に開催された第1回では、地域住民や企業、大学、行政などさまざまな立場の人が参加して、有識者から「リビングラボ」について学び、それぞれのリビングラボへの期待や、やってみたいことを共有しました。今回はその時の学びを踏まえつつ、リビングラボの実践者から話を聞いたり、仮想の地域課題をもとにリビングラボを体感したりする、実践的な3時間となりました。

まずは「リビングラボ~市民参加のカタチ」と題し、デンマーク工科大学の安岡美佳さんと、NTTサービスエボリューション研究所の赤坂文弥さんからの事例紹介がありました。

リビングラボの一つの大きな意義は「環境をデザインする」ことにあると考えている安岡さん。コペンハーゲンの観光地ニューハウンでは、テロ対策で大きなコンクリートの壁が街のあちこちに備えられたそうです。それを住民は「景観が台無しだ」と嘆くのではなく、“自分ゴト”と捉えて壁の生かし方を考えました。あるお店は壁にテーブルを取り付けてイートインスペースに活用したり、壁にペンキを塗って街の宣伝に使ったり。デンマークの人たちが、いかに自分のいる環境づくりを率先してやっているかがわかる事例です。「クリエイティブ・コンフィデンス(創造力に対する自信)」を醸成するためのデザイン思考やコミュニティ学習は、幼稚園でも取り入れられているそうで、さすがリビングラボ発祥の北欧です。

安岡さんは、北欧で関わっているプロジェクトの経験から「リビングラボでは、当事者が参加し、そのプロセスにおいて自らの考えを変え、みんなでデザインしていこうとするマインドを育てることが一番重要」と話しました。安岡さんは現在、赤坂さんと共に北欧の事例を参考にしつつ日本型リビングラボを模索しているとのこと。赤坂さんは「海外のやり方をそのまま真似したところでうまくいくわけがない。デンマークでも、それぞれのリビングラボで模索しているのだから、日本でもたまプラーザ版、横浜版など、地域に適したリビングラボを模索していく必要がある」と、理論的な話の積み上げだけでなく、リビングラボの実践を通して得た知識を共有・蓄積する場づくりにも取り組んでいるそうです。

次は、高齢化率が45%を上回る鎌倉市今泉台で、住民参加型の共創活動を展開している「鎌倉リビングラボ」について、「NPO法人タウンサポート鎌倉今泉台」の青木清さんから事例紹介がありました。同ラボでは地域内でモニターを募り、商品やサービスを実際に使った感想を、東京大学や鎌倉市、民間企業で構成する高齢社会共創センターで活用しています。「地域や社会の役に立つなら協力したい」「自分の声がどう生かされるのかを知りたい」とモチベーションの高いモニターが多い一方、共創活動の現場の苦労も十分にうかがい知れるお話でした。ラボに関わる住民のコミュニティをいかにつくっていくかも重要のようです。

2つめの事例紹介は、地域で活動しているソーシャルビジネスデザイン研究所/合同会社たまプラ・コネクトの藤本孝さんから。藤本さんは4年前から、大阪と東京でリビングラボを実践してきました。「産官学民など多様なステークホルダーは必要だが、企業が複数入るのは空中分解のきっかけになり得る。1回の集まりに参加する企業は1社に限定するなど、シンプルにやるほうがいい」など、自らの試行錯誤から見えてきたリビングラボの進め方を紹介してくれました。

そんな藤本氏がファシリテーターとなり、勉強会はリビングラボを体験するワークショップへ。ここでシリコンバレー発のスタートアップ企業「Hivelab(ハイブラボ)」の皆さんが登場しました。彼らの提唱する「Service Design Sprint プログラム」は、課題を解決するためのアイデア出しから、プロトタイプ作成、検証までを最大4日間で行うというもので、今回はそのエッセンスを1時間強に凝縮して、参加者全員で体験しました。

お題はとある田舎町のインバウンド戦略。グループごとに異なるペルソナ(仮想的なユーザー像)が与えられ、その人を町へ呼び込む施策をワークショップ形式で考えていきます。テンポよく1つのアイデアが別のアイデアでどんどんブラッシュアップされ、会場は一気にヒートアップ。最後はグループごとに具体的な施策がたくさん生まれていました。

たまプラーザは、横浜市と東急電鉄が次世代郊外まちづくりを推進し、市民活動も盛んで、共創の場として申し分ない条件がそろっています。藤本さんは、「もうポストイットは書き飽きた、という方も多いはず(笑)。みんなで“その次”へ行きましょう」とワークショップを締めくくりました。参加者からは「当事者としてリビングラボにかかわる際に持つべき視点の話、実践者の話、ワークショップ体験と、実践的で面白い勉強会だった。次は私たちの番ですね」という声も上がってきました。たまプラーザ版リビングラボの構築が楽しみです。

文:柏木由美子(スパイスアップ編集部)

更新:2018年3月2日 取材:2018年1月26日

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