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東急電鉄

WISE Living Lab(13)元石川高校のアントレ授業で1年間の成果発表

ヒト・コト・モノがつながる場

たまプラーザの美しが丘公園に隣接し、地域住民・行政・大学・企業などが連携してまちづくりを進めていくための場としてオープンした「WISE Living Lab(ワイズ リビング ラボ)」。横浜市と東急電鉄が推進する「次世代郊外まちづくり」の情報発信や活動の拠点としても期待されているWISE Living Labの“ヒト・コト・モノ”を、イベントレポートやインタビューでお伝えします。

「多世代交流」の場づくりを通して地域とふれあい成長する

他のチームのプレゼンを聴く生徒たち。互いの成長を感じ合う時間でもありました。
チームの全員が登壇し、自分たちの成果を発表します。
企業や地域の大人たちも本気で関わってきたこの授業が入り口になって、生徒たちの街を見る目も変わっていくことでしょう。

神奈川県立元石川高校では、2年生の選択科目の一つとして独自のカリキュラム「アントレプレナーシップ(以下、アントレ)」を組み込んでいます。アントレを選択した生徒たちは、“企業連携”“地域連携”“ものづくり”のテーマに分かれ、5~6人ずつのチームを組んで1年間活動してきました。この日はその最終発表です。

「次世代郊外まちづくり」では“地域連携”をテーマとする4チームの活動に協力してきました。各チームは「たまプラーザに多世代交流の場をつくる・考える」という課題に取り組んできた半年間を振り返りながら、5分の持ち時間で発表を行いました。メンバー同士が協力し合い、時にちゃめっ気も織り交ぜながらプレゼンテーションを展開しました。

実は、“地域連携”チームでは、1月下旬に「多世代交流」を目的としたイベントの開催を予定していました。爬虫類好きをテーマとして多世代がつながる仕掛けを考えた「ハブまつり」や、まちをみんなで巡るスタンプラリー、多(他)世代交流について話し合う「TPタックル」など、各チームがさまざまな企画を計画していました。ところが、インフルエンザの流行でそれが中止に。残念ながらイベントとしての結果は出せませんでしたが、この授業を通して得たものは大きかったようです。

いいアイデアが出ても、問題にぶつかったり思うようにいかなかったりして悩んだ様子が、どのチームの発表からも伝わってきました。しかしこれは、発表会の最後に校長の岡部先生がおっしゃっていた「想定通り」のことであり、それをどう乗り越えていくかがこの授業の「狙い」です。生徒たちは、自分たちが立てた仮説を検証するために、あるいはイベントの実施に向けて、いろいろな人に会いに行く行動力を身につけました。また、話を聞き出すコミュニケーション力を養い、課題解決のためのアイデアを想像力豊かに考えました。そうしたことによる自分たちの成長を実感できたことは、彼らが社会へ出ていくときの大きな支えになることでしょう。

中には「多世代ではなく、“他”世代なのでは?」「そもそも“他”世代交流なんて必要ないのでは?」という、大人にはない視点を持ったチームもありました。彼らはその考えにこだわり、地域住民へのアンケートを通して、みんながどう思っているか、そしてなぜそう思っているか、を追求していきました。そのプロセスは、協力する側の大人にとっても大きな発見だったのではと思います。

彼らの発表で印象的だったのは、「疑問を解決するために、大学生や企業・自治体・地域の方々など、普段関わらない人たちとたくさん関わってきた。自分たちの活動を振り返ってみたら、『自分たちがしてきたことこそが多世代交流だった』と気付いた」という話でした。多世代交流に一番疑問を抱いていたチームが、他のチームよりも多世代交流をしていたのです。

イベントができなくても多世代が交流するきっかけはある――そんなことを大人も学べた授業でした。






文:柏木由美子(スパイスアップ編集部)

更新:2019年3月18日 取材:2019年2月27日

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