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東急沿線 街×人 クリエイターと地域をつなぐ 中延EXPO まちづくり会社ドラマチック代表 今村ひろゆきさん 

大井町線・中延駅から歩いてすぐのところに、少しばかり年季の入ったビルがあります。『インストールの途中だビル』と名付けられたこの建物は、さまざまなクリエイターたちが集う共同アトリエ。このビルのクリエイターたちと中延の商店街が一丸となり、アートイベント『中延EXPO』を企画。2014年10月11日・12日・13日に、第2回が開かれます。イベントが誕生した経緯と今年の見どころについて、『中延EXPO』の発起人で『インストールの途中だビル』を企画・運営する、今村ひろゆきさんにお聞きしました。

今村ひろゆきさん

PROFILE●いまむらひろゆき
まちづくり会社ドラマチック」代表社員。クリエイター向けのアトリエやオフィスの拠点開発・不動産再生を行い、拠点となる街の資産に注目したイベントなどを展開しています。学生時代にはバックパッカーとして世界各国の街を旅してまわり、その経験が現在の仕事のきっかけのひとつになったといいます。

ハードではなくソフトによって中延の街を盛り上げていきたい。

さまざまなクリエイターたちが集う『インストールの途中だビル』。
階段の途中には、植物や動物の作品が飾られています。

──まずは『インストールの途中だビル』のお話からうかがいたいのですが……というか、こうして口に出すと本当にインパクトのある名前ですね(笑)。
そうですね(笑)。ちょっと変わった名前にしたかったんですよ。というのも、そうすることで少しでも注目が集まって、メンバーが集まったり新しいことが起こるといいな、という気持ちがあったので。

──そもそも中延駅前にある、この『インストールの途中だビル』に関わるようになった経緯というのは? 今村さんが代表社員を務めていらっしゃる「まちづくり会社ドラマチック」に依頼があったわけですか?
はい。元々は、このビルの2階から5階まで、約400平米が空いてるっていう状況で。オーナーさんから、うまく活用する方法はないだろうか、という相談を受けたんです。うちの会社では空きスペースや空いてる物件をどうにかしてほしいっていう要望にお応えする仕事なんかもしてまして。それをオーナーさんが新聞の記事で知って相談して下さったようです。

──その相談に対して今村さんは、どのようなコンセプトを提示したんですか?
このビルを“共同アトリエ”みたいに使ってもらうのはどうでしょう、ということですね。クリエイターと呼ばれるような方々に入って頂くビルとして運営するのがいいんじゃないかと思ったんです。そういう人達が僕のまわりにもたくさんいるんですけど、その中には自分の作業場を持てなくて困ってる人が結構いて。だから、そこをターゲットにしたビルにすれば需要があるだろうと考えました。

──最初の話に戻りますが。『インストールの途中だビル』という名前の由来は?
パソコンに、いろいろなソフトをインストールするじゃないですか。そこからヒントを得たんです。ようするにハードではなくて、その中身にあたるソフトによって、このビルをデザインするっていう発想です。しかも、それがずっと現在進行形で続いていったら面白いと思ったので“の途中だ”を付けました。外観を美しくするなどハード寄りのリノベーションってよくあると思うんですけど。そうではなくソフトに寄った、つまり中に入るメンバー同士の関係であったり、さらに街との関係であったり、そういうところからビルを盛り上げていけたらいいなっていう想いも込めてます。

クリエイター同士のコミュニケーションが大きな原動力に。

トルソーに飾られた洋服が目を引く、ファッションデザイナー・NeLLのアトリエ。
金属彫刻作家・まだらまんじのアトリエ。金属板に手作業で模様をつけていき、オンリーワンの作品を作り上げます。

──『インストールの途中だビル』としてのスタートが2012年の4月。そろそろ2年半ですね。ここまでの手応えは?
非常にいい感じになってきてるな、と感じてます。このビルには現在29組のクリエイターが入ってるんですが……。

──4フロアに、そんなにたくさん!?
そうです。フロアを仕切ったりシェアしたりしながら。そんなクリエイター同士のコミュニケーションが、すごくいい具合なんですよ。ひとつの仕事を一緒にやったり、お互いに仕事を発注し合ったり、みたいな状況も生まれてます。違う業界の人が同じビルに存在するっていうことが大きなメリットになってるようです。それから中延駅前の商店街の方々と良好な関係を築けてるのもうれしいですね。商店街の近くに住んでいる人達のヒアリングをしてほしい、という依頼がうちの会社にあったり。それから『インストールの途中だビル』にキャンドル・アーティストの方が入ってるんですが、それを知った商店街の方からクリスマスにキャンドル・ナイトをやってほしいっていう依頼があったり。

──ちなみに他には、どんな業種の方が?
いろいろいますよ。マンガ家。映画監督。靴職人。ファッション・デザイナー。ジュエリー作家。建築家。演劇団体。さまざまな人が集まってます。そういえば映画監督に「中延ねぶた祭り」の撮影と編集の依頼もありました。

商店街の人達が持っている知恵や技こそ、中延の資源であり魅力。

2013年の『中延EXPO』の様子。なかのぶスキップロードをランウェイにして、fifiのファッションショーが行われました。
イベント中は『インストールの途中だビル』を一般公開。作家たちの作品の即売も行われました。

──そんな『インストールの途中だビル』のクリエイターの皆さん。そして中延商店街の店主の方々。両者が手を組んで生まれたのが『中延EXPO』なんですね?
そのとおりです。この『中延EXPO』という名前での開催は去年からなんですけど。2回目となる今年は10月11日(土)から13日(月・祝)までの3日間にわたって開催します。

──どういった催しなんでしょうか?
簡単に言えば“マチの文化祭”。ビルに入っている人達がやってることは、どれも広義な意味でアート寄りなんです。そして商店街の人達っていうのは知恵や技をたくさん持っていらっしゃる。そんな両方の特色をいかして、この中延エリア一帯でイベントやワークショップを開催します。

──知恵や技というのも、ある意味ではソフトにあたる部分ですね。
そう言えるかもしれません。商店街の人達が持っている知恵や技って本当にすごくって。それこそが、この中延という街の資源であり魅力でもあるんですよ。そういったクリエイティブなものごとが商店街にはたくさんあるので、それを『中延EXPO』を通して感じて頂けたらいいなあと思ってます。

──キャッチコピーは“アートと暮らしが交わる3日間”。
イメージとしては5年後の中延を先取りしたような、そんな3日間にしたいと考えてます。2014年現在は『インストールの途中だビル』1棟だけですけど、こういったビルが5年後にはいくつもできて、ビレッジのようになるといいなあと思っていて。そうなったら今以上に中延の街にアートが溢れる。そういった状況を『中延EXPO』でひと足先に体現してみよう、という気持ちでいます。

さまざまなイベントが中延エリア一帯で繰り広げられる3日間。

オリジナルのあんを作り、自分で焼いた生地にはさむ「オリジナルどら焼きクッキング教室」。
『インストールの途中だビル』では、今年もさまざまなワークショップが開かれます。
ビルの屋上では、オープニングパーティーとライブが行われます。

──今年の『中延EXPO』の具体的な内容を教えて下さい。
イベントやワークショップの数が増えます。昨年は50ぐらいだったんですが、今年は80以上になります。それから会場も増えます。中延商店街の各店舗や『インストールの途中だビル』はもちろん、ふれあい広場や商店街自体を使うイベントもありますし、さらに今年は周辺の会館もお借りします(中延会館3階/中延3丁目会館/東栄会商店街会館)。 また外部からスペシャルゲストを呼ぶのも今年の特徴です。たとえばミュージシャンとダンサーが一緒になった「LAND FES」というユニットがあちこち練り歩きながらライブをやったり。旅をしながら地球のことを勉強している迷子のエイリアン、というアートで知られる「マリアンヌ・デュテール」さんを招いたり。世界各国で展開してるインターネット放送「BalconyTV」がビルの屋上でライブをやったり。
それから中延の商店街のあたりは江戸時代の頃には竹薮だったらしいんですけど、そんな歴史をひもといた「街の音プロジェクト」というのもあります。竹で楽器を作って、それを演奏しながらパレードするんですよ。

──商店街のお店では、どんなことを?
体験型のイベントがいくつかあります。焼き鳥屋さんで焼き鳥を焼く体験ができたり、どら焼き屋さんでオリジナルのあんこを練りどら焼きを作る体験ができたり……リアル版の“キッザニア”とでも言えばいいんでしょうかね(笑)。

──『インストールの途中だビル』のクリエイターさんは?
アトリエ公開をはじめ、いろいろ面白いことを考えてて。劇団の方々が俳優体験ができるワークショップをやったり。建築家の方が部屋の内装を変えたい人の相談を受けたり。それぞれが持ってる技能をいかした企画がたくさんあります。

──楽しい3日間になりそうですね。
イベント、ワークショップ、マーケットが中延エリア一帯で繰り広げられるので、きっと大人も子供も一日中楽しんでいられるはずです。そして、これまで以上に中延という街のことを好きになるんじゃないでしょうか。たくさんの方に喜んで頂けるように、しっかり準備したいと思います。

更新:2014年9月24日 取材:2014年9月

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