スマートフォン用ページへ
東急電鉄

「松陰神社前」街がたり 佐藤芳秋さん

私がこの街を好きな理由【連載第4回】

連載「街がたり―私がこの街を好きな理由―」は、東急沿線の街でまちづくりに携わっている人たちに、それぞれの街の魅力を語ってもらおうという企画。なぜ皆さんがその街を愛し、その街で活動をしているのか。原動力を探りながら、街そのものの魅力を発信していきます。
第4回は、街の案内所を兼ねた複合施設「松陰PLAT」を手掛けるなど、地域の活性化に取り組んでいる佐藤芳秋さんによる、世田谷線「松陰神社前」街がたりです。

「松陰PLAT」の階段で。建物のすぐ横を、世田谷線がのんびりと走ります。

階段から見渡して、この街の“温もり”を感じる喜び

松陰神社前は、まさに今が食べ頃だと思います(笑)。
街として、すごくいい感じになってきているんですよ。
「松陰PLAT」の階段に座って景色を眺めていると、そう感じるんですよね。

階段は駅のほうを向いていて、線路や踏切がよく見えるんです。
ベビーカーを押した若い夫婦と、もっと前からの住民の方が、
踏切ですれ違いながら軽く会話を交わしているんですよ。
そんな様子を見ていると街の温かさを感じて、ほっこりした気持ちになります。

うちの会社は「松陰会館」っていう名前なんですけど。
これは祖父の命名。妙な名前ですよね(笑)。
祖父には“地域の人が集まる場所にしたい”という想いがあったらしくて。
それで“会館”なんていう会社らしくない言葉を使ったようです。

会社の50周年を機に、当時の祖父の想いについて改めて考えるようになりまして。
それをきっかけに、いわゆる街づくり活動のようなことを始めたんです。
「松陰PLAT」も、そのひとつ。
座ってのんびりできるように大きな階段をつくったのも、
“地域の人が集まる場所にしたい”という祖父の想いを継承したんです。

つながりと物語を大切にする「松陰神社通り商店街」

人と人のつながり。
松陰神社前というのは、それがベースにある街なんです。

つながりがあるということは、そこにストーリーが生まれるわけで。
たとえば「MERCI BAKE」っていうケーキ屋さんがあるんですけど。
そのオーナーさんが物件を探していたタイミングで、
昔からあったケーキ屋さんがお店を畳んでしまったんですね。
だから街のストーリー的にも新しいケーキ屋さんが欲しかったわけです。
そのことを感じていた大家さんが、たくさん希望者がいた中から、
「MERCI BAKE」に貸すことを決めてくださった。
それは街の物語を大切にしているからですよね。

こういうストーリーが積み重なっていって、
松陰神社通り商店街には新旧のお店が入り交じっています。

「MERCI BAKE」の隣には、
「おがわ屋」っていう、昭和50年創業のおでん種のお店があって。
新しいお店と老舗と、その両方が当然のように並んで存在している。
松陰神社前っていうのは、そういう街なんです。

おでん屋さんの向かいには、おしゃれな古本屋さんが。松陰神社通り商店街は、新旧の店舗がうまく交わりながら、にぎわいを見せています。
新旧のお店のちょうど中間期を支えてきた「居酒屋 蔵八」。店主の瀧澤さんが気持ちのいい接客をしてくれるので、佐藤さんは公私問わずよく利用するんだとか。

街のコア「居酒屋 蔵八」と住人のハブ「STUDY」

おすすめのお店は、まず街のコアになっている「居酒屋 蔵八」。
食べ物がおいしいのは当然として、店長さんの人柄も素晴らしいんですよ。
常連さんであろうが初めて訪れた人であろうが、
誰でも同じように温かく迎え入れてくれます。

この辺りでは広いお店なので、大人数で入れるっていうのもポイントが高くて。
街の会合の救世主的なところもありますね(笑)。

そして、もうひとつ「STUDY」っていうカフェも紹介します。
コンセプトは“街の大衆食堂”。だから誰に対してもウェルカムなんです。

しゃれたカフェって年配の方が入りづらいこともあるじゃないですか?
でも「STUDY」の場合、時間帯によっては、
おじちゃんとおばちゃんでいっぱいになっていることがあるんですよ(笑)。
しっかり大衆食堂としても機能しているっていう。
人と人がつながるためのハブとなる場所ですね。

おしゃれな雰囲気なのに入りやすく、住民の皆さんに愛されているカフェ「STUDY」。

いつの日か「松陰PLAT」を「松陰神社」に続く街の象徴に

もちろん「松陰神社」も、この街には欠かせない存在です。
以前から根強い吉田松陰ファンの方々がいらっしゃっていましたが、
大河ドラマが放送されたことで、さらに盛り上がっていますね。

最初の話に戻りますが、
僕らが「松陰PLAT」の階段のアイデアを思いついたときに、
ある妄想をしまして……。

小さい子が階段から電車を眺めて遊んでいる。
その子が高校生くらいになって、今度は階段で恋愛トークを繰り広げる。
もしかしたらカップルで将来を語り合うかもしれない。
そして、もっと年月が経過して二人は老夫婦になって、同じ階段に座っている。

……みたいなストーリーを妄想しながらリノベーションしたんです(笑)。
大きく言わせてもらいますと、
渋谷駅のハチ公のような存在に、この階段が育っていったらいいなと思っています。

なんといっても街の中心は「松陰神社」。ここを基点に街の歴史が刻まれています。

佐藤 芳秋 さん

さとうよしあき
世田谷エリアを中心に、不動産事業やコミュニティ事業などを展開する「松陰会館」の常務取締役。会社の2階に地域の人が交流できるコミュニティスペース「Shoinstyle」をつくったり、世田谷の情報サイト「せたがやンソン」を立ち上げたり、街のプラットホームのような存在を目指して複合施設「松陰PLAT」を建設したり。街と人に伴奏しながら、積極的にまちづくり活動に取り組んでいます。
佐藤芳秋さん
「松陰PLAT」のお披露目会では、松陰神社前の街を案内する「街歩きツアー」を企画。佐藤さんも参加者と一緒に歩き、街の魅力を伝えました。

撮影:三浦孝明

更新:2017年1月20日 取材:2016年12月

コメント

  • 本コメントはFacebookソーシャルプラグインを使用しており、これによって生じた損害に対して当社は一切の責任を負いません。
  • コメントを投稿するにはFacebookにログインする必要があります。

おすすめの記事