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モノづくりの人がいます Art&Craft寺家回廊9th

2015年10月9日(金)~10月12日(月)開催 ―イベントレポート―

開催
2015年10月9日(金)~10月12日(月)
最寄駅
青葉台
場所
青葉区寺家町(寺家ふるさと村)

横浜市寺家町(寺家ふるさと村)で毎年秋に開催される『寺家回廊』は、ここに点在する絵画や陶芸、版画、木工などの工房をギャラリーとして公開し、作品の展示や販売、ワークショップなどを行うアートイベント。寺家町の秋の風物詩となっています。

マップ片手にぶらぶら散歩 里山の自然に癒やされるアートイベント

目線を低くしてみると、内部まで細かく再現された江戸の家並みがよくわかります。(縮尺二十分の一の江戸から明治 三浦宏の世界展:三浦宏作)
あかね色の染色布を使った田んぼアートは、秋の夕焼け空のようでもありました。(「大曽根武 田んぼ」:加藤良次作)
「寺家回廊は最初から参加しているのでもう常連です」と石田さん夫妻。繊細なラインで描かれた手彫りガラスのテーブルウェアにうっとり。
ワークショップ会場で、ぐるぐると回転している謎めいたオブジェに、思わず目が釘付け。(「電気で動くどうぶつさん」:アトリエ百万石・井崎菜々作)
地図を手にした人たちが、ワークショップや工房見学を終え、田んぼ沿いの道をのんびり歩いていました。

雑木林の丘の間に水田が広がり、昔ながらの横浜の田園風景が色濃く残る「寺家ふるさと村」。田園都市線青葉台駅からバスで10分ほどの場所に広がるこの豊かな自然に引かれ、いつの頃からかさまざまなジャンルの作家たちがここに工房を置くようになりました。『寺家回廊』は、そんな“モノづくり”の人たちによるアートイベント。工房では作家本人が訪れる人たちを出迎え、作品の解説をしてくれます。のどかな秋の風景が広がる中で、どんな作家さんたちに会えるかを楽しみに、参加してみることにしました。

まずは工房を巡る地図を入手するため、『寺家回廊』の事務局になっている「JIKE STUDIO」へ。ここは作品を展示するだけでなく、地元の野菜を使ったランチを提供するギャラリー&カフェ。この日は『寺家回廊』の開催に合わせて、ヒノキ細工師の三浦宏さんと、陶芸作家の澤岡織里部さんの作品展示が行われていました。江戸の街並みを再現し、海外でも高く評価されている三浦さんの作品は、町人たちの息づかいまで感じさせる精巧さ。会場では三浦さんが、作品への思いを熱く語っていました。

今回の『寺家回廊』に参加した作家さんは全部で14人。「参加している作家の方は、皆さん寺家町に関わりのある方たち。作家さんと直接触れ合うことで、寺家町の空気感を感じてください」という、寺家回廊事務局の坂上浩美さんの言葉に見送られて工房へと向かいました。

道沿いに色づいた柿の実を見つけたりしながら、秋を身近に感じることができる里山の風景に、気分も上がります。「JIKE STUDIO」の目の前で“紙すき”のワークショップを行っていたのは、共同アトリエ「アトリエ百万石」のアーティスト・坂本紀恵さんです。農業用ビニールハウスをパイプの骨組みだけにした会場は、なんだか畑の中にいるみたい。聞けば、寺家町周辺ではかつて和紙の原料となる“コウゾ”や“ミツマタ”が栽培されていたのだとか。農業用ビニールハウスを会場にしたのも、“紙すき”と収穫のイメージを重ね合わせたかったから、と坂本さん。熱心に紙をすいていた女の子とお母さんが、できた紙を何に使おうか楽しそうに相談していました。

“紙すき”会場を後にして歩いて行くと、稲刈りを終えた田んぼでヒラヒラと赤いモノが風に吹かれて揺れています。「なんだろね、コレ?」と足を止め、みんなが不思議そうに眺めていました。染色布を使った田んぼアートは、『寺家回廊』初参加となる加藤良次さんの作品。じっと見つめていると、赤トンボの大群が田んぼの上を舞っているように見えてくる不思議な作品です。

フロッタージュやダイヤモンド・ポイントの技法による繊細な手彫りガラス作品を展示・販売するのは石田光男さん・恵子さん夫妻。「ようこそいらっしゃいました。ありがとうございます」と大きな笑顔で出迎えてくれたのは光男さん。自宅を開放した工房は、すでにたくさんの見学者でいっぱいです。フロッタージュという聞き慣れない絵画の技法に、皆さん「どうやって作るんですか?」と石田さんを質問攻め。

工房を見学して、作家さんとおしゃべりをして、ワークショップを体験してみて感じたのは、『寺家回廊』の居心地の良さ。大規模イベントのような派手さはないけれど、この場所とそこに流れる時間を大切にしている作家さんたちの存在が、この空気感を生み出しているのでしょう。次の秋にはまた、ここに足を運んでみたくなりました。

更新:2015年11月24日 取材:2015年10月10日

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