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東急電鉄

子どものためのワークショップ博覧会『ワークショップコレクション11 in シブヤ(主催:NPO法人 CANVAS)』が、今年は、渋谷駅西側246号線沿いのビルで開催されました。解体前のオフィスビル2棟を存分に活用した、魅力あるワークショップが約150プログラム集合! 子どもたちは、思いっきりアートを表現したり、デジタル技術に驚いたり……日頃できない体験を、みんなで楽しんでいました。盛りだくさんのコンテンツから、いくつかピックアップしてレポートをお届けします。

みんな集まれ! ~はじけるアートなエネルギー~

子どもたちが時間を忘れて、筆を走らせる。大胆に、そして自由に。この日は忘れられない日になったでしょうね。
「tupera tupera」さんのワークショップは大人気。今にも「シブヤミライ人」たちの会話が聞こえてきそうな作品が出来上がりました。
最後は全員で記念撮影。「渋谷の駅前に作品が飾られる日にまた会いましょう」と約束をしました。

ガラス一面に巨大なアートが出現! 第2会場の渋谷TODビルに入ると、子どもたちがポップな色の絵の具を思いっきり使って描いている姿が目に飛び込んできました。まるで1階フロアが大きなキャンパスのようです。「パパも描いて! 描いて!」とせがむ姿もありました。高い天井ギリギリまでに描かれた下絵は、「#BICTION」アートチームが2日がかりで仕上げたもの。その上に子どもたちが楽しそうに色を重ねています。「#BICTION」は、取り壊しビルや街のデッドスペースをクリエイティブに有効活用し、アーティストと不動産を結び付けるというコンセプトで活動中。主宰する大山康太郎さんの「子どもたちに、自分の思ったことを自由に表現し、遊んでもらいたい」という思いと、ワークショップコレクションの思いが結び付いて、のびやかな「アートを楽しむ場」となっていました。

8階の「未来のシブヤをえがこう!~シブヤミライ人を考えよう~」の会場では、参加者全員がくじを引くことから、ワークショップがスタートしました。くじには、“ミライ人”を連想させるキーワードが書かれていて、子どもも大人も、カッティングシートとはさみなどを使って、想像を膨らましながらミライ人を作ること1時間。バリエーションに富んだ“シブヤミライ人”が誕生しました。しかし、この企画の楽しみはここからです。ミライ人たちを壁面に貼っていくと、そこに出会いが生まれ、しゃべり始め、遊びだし……。“未来のシブヤのまち”の完成です。この楽しい企画の講師は、ワークショップ・舞台美術・アニメーション・雑貨など、さまざまな分野でアート活動している「tupera tupera」のお二人。未来のシブヤを想像することで、みんながワクワクできた企画でした。

“未来のシブヤのまち”の作品は、渋谷駅周辺の再開発工事現場の仮囲いに順次貼られていくとのこと。必見です。会場には、他にも“開放感を体験できる”企画がいっぱい。普段は何かと規制の多い社会、この場では、ダイナミックに、そして自由に描くことができ、はじける子どもの笑顔とエネルギーがみなぎりました。

未来につながるデジタルの世界

“VRゴーグル”作成中。雨で野球の試合が中止になり、親子で急きょ参加。「野球もいいけど、モノづくりも楽しい!」
まだ“立体の感覚”がつかめない子どもをお父さんがサポート。3Dペンを使って一緒に“立体モノづくり”に挑戦!
「第4回デジタルえほんアワード」表彰式。グランプリを受賞したのは、「面白法人カヤック」の「ダンボッコキッチン」。

“デジタルネイティブ”と言われる21世紀の子どもたちが、次世代のモノづくりに欠かせないさまざまなツールを使って、デジタルの最先端を体験できるワークショップ――デジタル技術とアナログ感覚をミックスさせた、未来へとつながる学びの場――が豊富にあるのも、このイベントの特徴のひとつ。「IT×ものづくり教室Qremo」の「段ボールでVR(仮想現実)ゴーグル作成!」のコーナーでは、子どもたちが段ボールをカットし、ゴーグルの形にしています。そこへ、アプリを起動させたスマートフォンとルーペを装着すると、“VRゴーグル”の完成! レンズをのぞけばたちまち、子どもたちは3Dの別世界へ。

次は、「ボンサイラボ」の「3Dプリンタをまるごと体験!」です。低学年向けのプログラムでは、今注目の“空中に絵を描ける3Dペン”を使って、“立体”を体感することができました。3Dペンのペン先から熱いプラスチックを押し出すと、それが急速に冷えて固まり、描いたものが立体となるのです。お子さんと参加していたお父さんは、「私の世代にはなかった“遊び”を、子どもと体験できてうれしい」とのこと。細かな作業に集中する子どもたちの姿が、とても印象的でした。

また、「国際デジタルえほんフェア2015」のコーナーでは、さまざまな“デジタルえほん”を体験できました。これはスマートフォンなど新しい端末における子ども向けの絵本・書籍等のデジタル表現で、画面をタップしたりスワイプすると、絵が動き音が出て、お話の臨場感を楽しめます。今回この会場では、「第4回デジタルえほんアワード」の受賞作品発表と表彰式も行われました。グランプリに選ばれたのは、「面白法人カヤック」製作の「ダンボッコキッチン」。野菜を切る・鍋で煮るなどの料理体験を、“段ボール製の調理道具”とアプリをダウンロードしたスマートフォンだけで、本当に料理しているかのように遊べるものです。「グツグツ……トントン……」炒める、切るなどの動作に合わせて、リアルな音が聞こえ、スマホの画面に表示されている具材が動きます。段ボールの素材感も良く、親子で気軽に楽しめるものでした。

生かされる素材、工程を楽しむものづくり

“輝く円盤付きリストバンド”を製作中。二人でミニディスクの装飾を真剣に相談しています。
「つまみ細工」体験の様子。布をつまんで花びらの形に。コツをつかむと子どもでも簡単にできるようになります。
「手作りプロジェクションマッピング」に取り組む親子。「どんな背景がいいかな?」と、一緒に考えるのも楽しい時間です。

ひときわにぎわう「ものづくり系ワークショップ」が集まる会場に行くと、大きな再生紙で作られた木々を発見。ここは、“子ども廃材加工プロジェクト”のコーナーで、産業廃棄物を使って、ものづくりをしようというものです。今はあまり使われないミニディスク(MD)をデコレーションして作るのは、“輝く円盤付きリストバンド”。自分で作った、キラキラ光るリストバンドを着けた子どもたちは、未来のヒーローのように振る舞い、誇らしげな姿が印象的でした。また、使い終わった携帯電話の基板は、“再生アートキーホルダー”に変身。プロジェクトの主催者「なあるアートネットワーク」のいなずみくみこさんは、「産業廃棄物をアートとして再生することで、新しい価値が生まれると思うのです」と語ってくれました。

華やかな七五三のかんざしが目を引くのは、伝統工芸「つまみ細工」体験ワークショップ。高橋正侑さん指導の下、小さく正方形にカットした布をピンセットで折り、5枚を組み合わせて花びらになるよう、細工を施します。気軽に伝統工芸を体験し、ヘアピンやマグネットなどの現代風な小物を作ることができるので、例年人気のプログラムとのことです。

次は、「手作りプロジェクションマッピング!」をのぞいてみました。学生主体の若い力が集まる「コモジラ研究所」によるワークショップです。紙粘土でゾウを作っているのは、小学4年生の女の子。ゾウの映像をiPadに取り込み、背景となるサバンナをペイントすると完成です。自分が作ったゾウが画面で動く様を、満面の笑顔で見つめていました。作品を作りながら、映像を映し出す最先端技術も知ることができる、興味深いものでした。
日本の伝統文化から最先端の技術まで、手軽に体験できる「ものづくり系ワークショップ」は、長い列ができるほどの大人気。参加した保護者からは、「私が夢中になってしまいました」といった声もありました。素材や工程に工夫があり、日本の文化や環境問題への関心も呼び起こす、学びの深いワークショップだと感じました。


※ コモジラ研究所の「手作りプロジェクションマッピング!」は、『ワークショップコレクション11 in シブヤ』の出展ワークショップを対象に行われた、「第6回キッズワークショップアワード」にて最優秀賞に選出されました。

アクティブに楽しむ・学ぶ!

これが“ピカリバブル”! 足でしっかりふんばって、ぶつかり合いっこ! 周りからの声援にも力が入ります。
「国境なき医師団」のすごろくを体験中。着ている白いベストは、スタッフが着用するものと同じモデルですが、スタッフ用には、たくさんのポケットが付いています。すごろくの下の布は、アフリカの布です。
「どこで押したらいいかな……」ジオラマ模型の中を走る電車の様子を見ながら、タイミングを計っています。「Tokyu Child Partners」ゾーンにて。

運動会の大玉ほどのビニール製のボールが、激しくぶつかり合っているのは、「世界ゆるスポーツ協会」と「超人スポーツ協会」とで考えられた、“ピカリバブル”というスポーツ。“バブルサッカー”競技を子どもたちが楽しめるようにアレンジし、この会場に登場! ボールの中には、子どもたちがボールを背負うように入っています。当たったり転がったりすると、ボールの中のLED光が赤・青・緑色に変わります。一対一の対戦で、笛の合図で指定される色のサークルを取り合うゲームです。兄弟で対戦した子どもたちは、「バランスをとるのが難しい!」と、うっすら汗をかいた笑顔で話していました。

一方、「特定非営利活動法人 国境なき医師団」のゾーンでは、子どもたちが予防接種のワクチンを入れる小瓶を、そっと手に載せています。これを予防接種が普及されていない地域に、どうやって届けるのかを、すごろくゲームをしながら教えてもらうプログラムです。すごろくのマスには、搬送中に起こった実際の出来事が書かれているので、疑似体験ができました。スタッフの看護師さんと一緒にゲームをした女の子は、「スムーズに運べないことや、現地の人たちとの楽しい交流があることもわかりました」と、好奇心が刺激された様子でした。「私たちの活動は、みんなの力が一つにならないとできません。励ましのメールも力になっています。」スタッフ外科医の安西兼丈さんの言葉に、胸が打たれました。

また、「Tokyu Child Partners」ゾーンでは、電車整備士の服とヘルメットを着用した子どもが、東急線キャラクター“のるるん”と笑顔で記念撮影。踏切の“非常ボタン”を使って、ジオラマ模型の中を走る電車をストップさせる体験もできました。東急電鉄では、イベントを通して、緊急時の電車停止方法の啓蒙活動をしています。「東急セキュリティ株式会社」の、“エキッズ”体験コーナーもありました。

アートに最新デジタル技術、ものづくりにニュースポーツ、さまざまなワークショップを楽しむ子どもと大人の姿は、“未来のシブヤ”の街の風景なのかもしれません。参加者の「子どもと一緒に楽しめたのがうれしかった」の言葉にあるように、みんなが集い楽しめる場にするためには、「創造する・行動する・思いやる」ことが大事な気がしました。

文:Loco共感編集部(福岡尚夏・森田由紀・野口美湖・山本弥和)

更新:2015年10月26日 取材:2015年8月30日

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