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東急電鉄

りびんぐるーむ vol.4 新春初笑いスペシャル

2017年1月9日(月)開催 ―イベントレポート―

リビングルームでくつろぐように、老若男女誰もが笑い、おしゃべりできる場をつくりたい――。「りびんぐるーむ」は、顕在化してきた高齢者の孤食問題に取り組もうと、青葉台で始まったランチ会です。「新春初笑いスペシャル」と銘打ち、地元の市民落語家を迎え行われた第4回「りびんぐるーむ」についてレポートします。

イベント名 りびんぐるーむ vol4. 新春初笑いスペシャル
開催 2017年1月9日(月)
場所 エスニカ
最寄駅

地域のみんなで「たべて しゃべって わらって」

司会に音響に給仕に、一人で何役もこなしながら皆さんと会話する主催者の田原さん。
ご飯と粕汁のおかわり希望者続出。食事を用意した「コマデリ」の小池さんも忙しそうです。
「コマデリ」の小池さんが地元食材をふんだんに使って愛情を込めた食事は、やさしい味で安心かつ栄養満点。粕汁は、海老名で酒蔵を160年営んでいる「泉橋酒造」の酒粕を使用し、具材のこんにゃくは田原さんの義母の手作りのもの。
落語を二席披露してくれた市民落語家の花伝亭長太楼さん。田原さんたちが即席で作った高座も雰囲気たっぷりです。
花伝亭長太楼さんの落語を聞く皆さん。登場人物のとんちんかんな問答に大笑いです。

青葉台駅からのんびり歩いて15分。駅の開業から程なく竣工し、半世紀近くを経るビンテージマンション「桜台ビレジ」の1階に、アンティーク家具の販売や修理を行うお店「エスニカ」があります。店主の田原雅(まさる)さんは気さくでアイデアマン。田原さんと話をしたくてエスニカを訪れる人も多く、“茶飲み友達”は数知れません。

そうした地域の皆さんとのお付き合いの中で、田原さんは高齢化と孤食の問題を肌で感じてきました。青葉台は商店街もにぎやかですが、高齢者が気軽に食べたりおしゃべりしたり、くつろいだりできるお店が少なく、しかも、そういったお店がどこにあるかを高齢者が知らない、という現実もありました。

田原さんが2年前、桜台ビレジや周辺に住む高齢者に声を掛けて「りびんぐるーむ」をスタートしたのは、そうした課題に“食”と“場”の提供で取り組みたいという思いからでした。そしてその思いを、キッチンカーで青葉区内外を走り回る「コマデリ」の小池一美さんに話したところ、その場で意気投合。二人の“立ち話”から始まった「りびんぐるーむ」は、この日で4回目になります。

地元の旬な食材を使ったお弁当の販売やケータリングサービスを行っている小池さんは、この日のメニューについて「特別なことはしていません。ちょっとだけ油ものを控えたり、硬いものを避けたり、そのくらいですよ」と言います。25種類以上もの食材を使った滋味に富む食事は皆さんに大好評。あちこちのテーブルから、ご飯や粕汁の「おかわりくださーい」という声が上がり、ボランティアスタッフはうれしい忙しさです。そして食後は、ご近所のコーヒー焙煎店「石田珈琲」の石田さんが入れてくれるコーヒーでひと息。まさにリビングルームでくつろぐように、皆さんのおしゃべりや笑い声が大きくなっていきます。

「ほんといつもここの食事はおいしいんだよなあ」と話すのは、「りびんぐるーむ」を毎回楽しみにしている男性。青葉台に暮らして35年たちますが、都内での会社務めを終えた後も地域とのつながりが持てずにいたそうです。けれどもたまたま立ち寄ったエスニカで田原さんと仲良くなって以来、「りびんぐるーむ」に参加するようになりました。「ここはにぎやかでいい。田原さんのような若い人が街を盛り上げようとしているのは本当に素晴らしいこと。自分は地域に貢献してこなかったけれど、今は地域コミュニティって大切だと感じるね」と話します。

今回の「りびんぐるーむ」は新春初笑いスペシャルとして、後半は落語が用意されています。高座に上がるのは、青葉区在住の花伝亭長太楼さん。大手商社を定年退職後、「旅行やウォーキングで過ごすのはつまらない。何か周囲に還元できることに挑戦したい」と、昔から好きだった落語を2年かけて学んだそうです。今では高齢者施設や企業イベント、落語ライブなど、さまざまな場に出向いて笑いを届け、多忙な毎日を過ごしています。この日の演目は「代書屋」と「火焔(かえん)太鼓」。老若男女が楽しめる新作落語と古典落語です。さすが、“まくら”と呼ばれるツカミから時事ネタを織り交ぜて笑いを誘います。

初めて生で落語を聞いた男性は「テレビやラジオで聴くよりずっといいね」と臨場感を喜び、寄席へよく行く女性も「オチが分かっていても笑っちゃうのよね」と大満足。今回最年少の小学6年生は「扇子でいろいろなものを表していて、身ぶり手ぶりが面白かった」と、初めての落語に興味津々です。

落語が終わり、会がお開きになっても田原さんは退出を促さず、店内にはおしゃべりの輪が残っています。「余韻も楽しんでもらえれば。僕たち運営側も、片付けながら皆さんとおしゃべりしているので、多少時間が伸びても大丈夫です」。田原さんらしい気遣いです。

ビジネスの視点から地域課題を解決していきたいと、任意団体「あおばソーシャルビズ」を立ち上げた田原さん。「りびんぐるーむ」はその取り組みの一貫です。「今回も、高齢者と同居する若い世代や、地域課題に取り組んでいる有志も参加してくれました。高齢者の生の声が若い人に届くといいですね」。

議論ではなく、地域の昔話などたわいもない会話から出てくる本音。「りびんぐるーむ」のような“地域の団らんの場”は、孤立化する人を地域とつなぐとともに、課題を可視化して解決方法を模索する貴重な場にもなっています。

「本当は、シニアの皆さん同士がつながって自分たちで何か始めるようになるといい。地域の先輩が社会で再び輝けるような活動につなげていけるようにサポートしていきたい」と語る田原さん。同じ思いを持つ皆さんと一緒に、地域に根差した活動は続きます。

文:柏木由美子(スパイスアップ編集部)

※「りびんぐるーむ vol4. 新春初笑いスペシャル」は、「 とくらく(東急電鉄)× Peatix 『シビックプライド』キャンペーン」支援イベントとして、採択されました。

更新:2017年2月6日 取材:2017年1月9日

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