鶴間公園のがっこう 第1回 どう使う? ~ちょっとステキな使い方を知る~
2017年6月18日(日)開催 ―イベントレポート―
2017年6月18日(日)開催 ―イベントレポート―
2016年に5回にわたって行われてきたワークショップを経て、「南町田拠点創出まちづくりプロジェクト」もいよいよ次のステップへ。新しくなる鶴間公園を地域のみんなでもっとすてきにするために、「鶴間公園のがっこう」が開校しました。先進事例に学ぶ「講座」、使い方やアイデアを具体的な形にする「グループ学習」、鶴間公園で実際にイベントを実現する「実習」までの全4回の様子をレポートします。
イベント名 | 鶴間公園のがっこう 第1回 |
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開催 | 2017年6月18日(日) |
場所 | 町田市立鶴間小学校体育館 |
最寄駅 |
2019年秋のリニューアルオープンを予定している鶴間公園。開校した「鶴間公園のがっこう」は、新しくなる鶴間公園の使い方をみんなで考え、もっとすてきにするためのアイデアや夢をカタチにするための“学校”です。会場となった鶴間小学校体育館に集まった“生徒”の年齢は小学生から80歳代までと幅広く、新しくなる鶴間公園への関心の高さがうかがえます。
はじまりは、コーディネーターを務める石塚計画デザイン事務所の千葉晋也さんによる、全体のカリキュラムについてのガイダンス。「鶴間公園のがっこう」が全4回で行われること。最終目標は4回目となる11月4日のイベントをみんなで実現すること。そのためにこの場に集まったみんなで、意見交換をしながら企画づくりを行うことが説明されました。なんだか楽しそう、いやいや大変そうだ、と集まった参加者の表情もさまざま。第1回のカリキュラムとなる今回は、町田市の事例ではないけれどなんだか面白い活動をしている、という人たちに話を聞き、実際の市民の活動事例を学んで公園活用のヒントにする講座とグループワークです。
1時間目は、2016年に行われたワークショップのとりまとめをしていた、東京農業大学・准教授の福岡孝則さんと神戸大学・准教授の槻橋修さんが、昨年までの取り組みの様子をふり返ります。福岡さんは「公園が広がる」「公園がつながる」「公園の質が上がる」という3つのポイントにもとづいて公園の基本設計が進められたことを説明。槻橋さんは、昨年のワークショップで挙がった活用アイデアを「イベント」「学び」「健康づくり」「遊び」「音楽」「食」などのテーマに分類して紹介し、多彩なアイデアの数々が多くの市民の思いを感じさせる実現可能なものであったことを話しました。
続いて2時間目は、ゲスト講師による講座です。最初に登場したのは、街の中で育った木の有効活用に取り組む「街の木を活かすものづくりの会(現 一般社団法人 街の木ものづくりネットワーク)」の湧口(ゆぐち)善之さん。「私たちが暮らす街には意外なほど多くの木がありますが、さまざまな事情によって伐採され、ほとんどは価値のないゴミとして捨てられてしまう」と湧口さん。そんな木を使って行う「製材ワークショップ」を紹介しました。やむなく伐採されてしまった地域のランドマーク的存在だった大木を、地域の力をあわせ手作業だけで製材したという事例は、リニューアルに伴い伐採される鶴間公園の樹木の活用モデルとなるのではないかと提案。 伐採される木の再利用については、多くの市民が希望していたことであり、昨年のワークショップでも要望が多かったこともあって、参加者も興味深く聞き入っていました。
続いてのゲスト講師は「えんがわカンパニー」の、おきなお子さん。街を舞台に演劇をするというユニークな活動を続けています。おきさんは、国立市制40周年の時に実施した事例を紹介しながら、記憶の中に生きている鶴間公園と、未来で見てみたい鶴間公園の風景を演劇化するという、夢の膨らむプランを紹介しました。
講座のあとには、ゲスト講師のお二人が鶴間公園を実際に見て感じたことについてのトークセッションも。湧口さんからは、公園にはいろんな木があり、切ってみないと利用できるかどうかわからないことが多い、という活用の難しさ。おきさんからは、公共の場で行うイベントでは計画や許可の面で行政との関わりが大事であり、市民と行政が良好な関係を築いていくことが必要ということ。また、一緒にやる仲間がいることが大きな力になると、グループワークの重要性が語られました。
ゲスト講師の講義を終え、3時間目はテーマごとに分かれてアイデアを出し合うグループ学習です。「食」がテーマのグループでは、大きなフライパンで作るパエリアイベントや、子どもと大人が一緒に楽しめるバーベキューイベントなど、家庭では難しいけれど広い公園なら思いきり楽しめるアイデアが人気のよう。「遊び」がテーマのグループからは、伐採された木を使った巣箱作りや自然をいかした手作り工作という、ゲスト講師の話をヒントにした案など、グループそれぞれに個性を発揮したアイデアが出ていました。
グループワークを終えた参加者に話を聞くと「公園がどうなるかは気になっていた。自分の意見がちょっとでも生かされる機会があると思うと楽しみ。講師の方の話も面白かった」という感想や、昨年のワークショップから参加しているという男性からは「こういうワークショップは自分たちで作る喜びを感じることができる」と、新しくなる鶴間公園に大きな期待を寄せていることが感じられる意見が返ってきました。
「昨年のワークショップと違い、今年の『鶴間公園のがっこう』は、参加者自らにアクションを起こしていただくというもの。大変だなと感じる人もいるかと思いますが、よしやっていこうと思っていただけたら嬉しいです」。そう話すのはコーディネーターを務めた千葉晋也さん。
「鶴間公園のがっこう」では、次回もゲスト講師を迎えながら、鶴間公園の使い方を考えみんなで考えたイベントの実現を目指します。
更新:2017年7月24日 取材:2017年6月18日