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第1回 まちゼミ 久が原

2017年10月1日(日)~30日(月)開催 ―イベントレポート―

「店主の人柄に触れて、地元の商店街の魅力を知ってほしい」――そんな思いから、久が原銀座商店街の青年部メンバーが仕掛けた「第1回 まちゼミ 久が原」。各店の店主が専門知識を生かして行うミニ講座の数々が、約1カ月にわたって行われます。

イベント名 第1回 まちゼミ 久が原
開催 2017年10月1日(日)~30日(月)
場所 久が原銀座商店街(ライラック通り)
最寄駅

地域と商店街のつながりを創る街のゼミナール

商店街の入り口付近に設置された「まちゼミ」の横断幕。興味を持った人がすぐに参加できるよう赤いイスの上には、ミニ講座の紹介が載ったチラシも置かれていました。
「岡崎まちゼミの会」松井氏(右から3人目)を迎えての勉強会。(写真提供 青年部)
UVレジンアクセサリーづくりの様子。集中を要する細かい作業ですが、受講する人もお店の人も終始リラックスした様子で楽しんでいました。
鍋谷さん(左)のミニ講座。かつて職人だったお父様が作った花瓶が登場。「これ、うちで使っていたものと同じです!」と受講者から驚きの声が飛び出す一コマも。
安部さん(左)と澤田さん(右)。準備のための勉強会や会合を通して商店主同士のつながりが深まったのも、成果の一つだと語ってくれました。

「まちゼミ」は、愛知県岡崎市の商店街が発祥の取り組み。商店街の店主が講師となって、プロならではの専門知識やコツを教えるミニ講座を開きます。「まちゼミ」はすでに全国300カ所で開催されており、地域と商店街、商店同士のコミュニケーションを深める取り組みとして大きな注目を集めています。

昨年秋、大田区の久が原銀座商店街振興組合(鈴木超理事長)では、若手メンバーを集めた青年部が発足。その代表となった澤田麻由さんが、「一過性のイベントではなく、本当に商店街のためになるイベントはなんだろう?」と模索していたときに、協力会員(オブザーバー)でデザイナーの安部啓祐さんから「まちゼミ」の取り組みを紹介してもらい、すぐに開催を決めたのだそうです。

「まちゼミ」をはじめた「岡崎まちゼミの会」の松井洋一郎氏を招いて勉強会を開くなど、入念に準備した青年部。その呼びかけに応じて参加した商店主により、「美容と健康」「グルメ」「ライフスタイル」をテーマにした20もの講座が、商店街のあちこちで開かれることになりました。

取材当日、澤田さんのネイルサロン「ナルネイル」では、親子で楽しむアクセサリー作りが開催されていました。作るのは、UVレジン(透明な樹脂)のアクセサリー。土台となるペンダントトップやキーホルダーなどにUVレジンを流し入れ、ラメやホログラムなどで飾ったら、ジェルネイルで使用するUV(紫外線)ライトにあてて固めます。1時間ほどの講座でしたが、受講した2組の親子とお店の人はすぐに打ち解け、子育ての話や地元の話で大盛り上がりに。ミニ講座を通して、地域と店舗の距離が一気に近づく様子が伝わってきました。

江戸切子のオリジナルブランド「蒲田切子」などを扱う「フォレスト」では、店主の鍋谷孝さんが、切子や蒲田の歴史についてのミニ講座を開いています。切子(カットグラス)の基礎知識にはじまり、明治時代に政府の殖産興業政策によって品川に官営ガラス工場ができ、そこで学んだ職人たちが墨田区や大田区に移り住み、ガラスメーカーが設立されていったことなど、ガラスにまつわる街の物語が次々と語られます。特に受講者の興味を引いていたのが、かつて蒲田駅周辺が、松竹の撮影所があったり、さまざまな大きな工場が建ち並んだりと、文化と産業の中心地として、大いに栄えていたという話でした。
講座後には「蒲田周辺の歴史や、ガラス産業の流れを知ることができてすごく良かった」という感想も聞かれ、地域への関心を高めた講座でした。

「まちゼミ」の取り組みを澤田さんに紹介した安部さんは、「商店街の魅力に、店主の人柄や店員とのコミュニケーションがあります。ところが最近では、『個人商店は入りにくい』『入るきっかけがない』といった理由から、最初の一歩を踏み出せない人が多いようです。そこで、まず店主の人柄を知ってもらい、つながりを作るきっかけになればと『まちゼミ』開催を提案したのです」と話してくれました。

澤田さんに手応えを聞くと「確実にあります!」と力強い答え。「アンケートを見ると、皆さん『大満足』と書いてくれていて、楽しんでいただけた様子が伝わってきました。講座の内容によって、足を運んでくださる人数にバラツキはありますが、それも市場のリサーチになります。これからも内容をさらにパワーアップして、長く続けていきたいですね」。

若い世代のエネルギーが地域の商店街にどんな変化をもたらすのか、今後の展開が楽しみになるイベントでした。

文と写真:庄司健一

更新:2017年10月25日 取材:2017年10月7日

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