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東急電鉄

第3回二子玉川エリアマネジメントシンポジウム

2018年2月24日(土)開催 —イベントレポート—

2015年4月に発足した二子玉川のまちづくり団体「二子玉川エリアマネジメンツ」。毎年春に、一年間の活動報告と共に、これからの計画や可能性を話し合うシンポジウムを開催しています。3回目となる今回のテーマは、「地域連携とエリアマネジメント」。周辺地域のまちづくり団体や行政の関係者が招かれ、講演やパネルディスカッションが行われました。

イベント名 第3回二子玉川エリアマネジメントシンポジウム
開催 2018年2月24日(土)
場所 カタリストBA
最寄駅

エリアマネジメントへの理解を深め、地域連携の可能性を探る

保井教授の基調講演「地域連携によるまちの活性化とエリアマネジメントの果たす役割について」。都市の機能は「ないものづくりからあるものつかいへ」というトレンドや、その利活用の主体として期待されるエリアマネジメントについて理解を深めました。
自由が丘の岡田さん(右)と、武蔵小杉の安藤さん(左)。エリアの違いだけでなく、まちづくり会社やNPOなど、団体の仕組みもさまざまです。
二子新地のNPO法人DT08・理事長の川崎さん。「にこぷら新地」の運営サポータはすべて無給なので、今後は対価を支払えるよう仕組みを作ることが課題だそうです。
二子玉川エリアマネジメンツの佐藤代表。「年度ごとに1つずつ課題はクリアしているが、次の4年目は、より主体性を持ってやっていける団体になるよう尽力したい」と語ってくれました。
コメンテーターとして参加した世田谷区の保坂区長(左)と川崎市の伊藤副市長(右)。多様化する地域課題に対しては、行政だけでなくさまざまな主体が一緒に取り組んでいくことが必要な時代です。

「二子玉川エリアマネジメンツ」は、二子玉川の持続的なまちづくり活動を推進する団体です。玉川町会と、玉川高島屋S・Cを運営する東神開発株式会社、東急電鉄を構成会員とする任意団体で、世田谷区がアドバイザーとして加わっています。一部の事業では収益を得る仕組みを作ってまちづくり活動に配分していくなど、自立的なまちづくりの循環を生み出すことと街の課題解決を目的としています。特に注力する取り組みの1つは、多摩川とその水辺空間を活用したまちの魅力向上。この3年間に、兵庫島でのキッチンカーによる社会実験や「水辺茶会」など、さまざまな挑戦をしています。

今回のシンポジウムは2018年2月24日に行われ、まちづくり(エリアマネジメント)が専門の法政大学・保井美樹教授が基調講演とパネルディスカッションのコーディネーターを務めました。全体のテーマが「地域連携とエリアマネジメント」ということで、パネルディスカッションには二子玉川マネジメンツの佐藤正一代表理事をはじめ、世田谷区の保坂展人区長と川崎市伊藤弘副市長、多摩川を管轄する国土交通省関東地方整備局・京浜河川事務所の黒沼尚史管理課長、そして近隣の3つのまちづくり団体の代表者が登壇しました。

お隣の目黒区自由が丘から出席したのは、まちづくり会社である株式会社ジェイ・スピリットの代表取締役社長・岡田一弥氏。自由が丘では、長年、商店街振興組合がカード事業からゴミ収集までさまざまな役割を担ってきましたが、地区計画やハード整備には対応が難しいこともあり、会社を立ち上げたそうです。

NPO法人小杉駅周辺エリアマネジメントからは、理事長の安藤均氏が出席。武蔵小杉(川崎市中原区)が大規模な再開発により高層マンションが建ち並ぶ街へと変貌するのに伴ってNPOが設立され、商店街や町会、マンション、行政間の情報の橋渡しをするほか、お祭りや防災活動なども実施しているそうです。

多摩川を挟んで対岸の二子新地(川崎市高津区)からは、NPO法人DT08の理事長・川崎泰之氏が参加。高津区と地域住民と東急電鉄のワークショップを経てできた高架下のコミュニティ施設「にこぷら新地」の運営を行い、アートを切り口にしたイベントなどを開催しています。地域にとどまらず、広く東急沿線をつなぐようなイベントも。

パネルディスカッションでは、資金や人材の確保が話題にのぼりました。
自由が丘では、商店街の加盟店を対象としたカード事業を行って、その収益を活動資金にあてているそうです。人材としては、商店街振興組合のメンバーが携わっています。武蔵小杉では、活動資金の半分はマンションの住民から集め、イベント開催時は企業の協賛や補助金を得ています。理事は町会、商店街、マンションのメンバーから探すとのこと。また、二子新地では「にこぷら新地」利用料が資金の多くを占め、現在は人員がギリギリなので関わる人をどう増やすかが課題、というように、それぞれの団体の事情が語られました。一方、二子玉川エリアマネジメンツでは主な活動資金は構成会員から募っており、収益をあげる事業作りが今後の課題。人材は自然と“集まって来つつある”のがこの街のよいところ、と佐藤代表。

こうした話を受け、京浜河川事務所の黒沼管理課長から、国交省には自治体を通した交付金の制度があることや、全国のまちづくりに関心のある大学生(と、その指導教職員)が参加する「大学生観光まちづくりコンテスト」が開催されることなど、資金や人材集めに役立つ情報が提供されました。また川崎市の伊藤副市長は、都市部の資源(公共施設や人材)の利活用について、行政と地域の人や団体、企業が、得手不得手を補い合って交わることへの期待を述べました。世田谷区の保坂区長は、多摩川の渡し舟の復活エピソードなど、世田谷区と川崎市の連携の経緯を説明。「場があること」や「まちづくりにおける哲学」の重要性などにも言及しました。

最後に岡田さんからは「(二子玉川と自由が丘、武蔵小杉は)10分で行き来できる。シーンで街を使い分けてもらえばいい」、川崎さんからは「二子玉川とは多摩川を挟んだ双子の兄弟。対岸で連携を広げたい」といったコメントが。それを受けて二子玉川エリアマネジメンツの佐藤代表は、近隣の街同士が、競争したり対抗したりすることにより互いに切磋琢磨していき、この地域全体が盛り上がるような仕掛けを一緒にやっていきたい、と語るなど、今後の地域連携へ意欲を見せていました。

文と写真:庄司健一

更新:2018年3月19日 取材:2018年2月24日

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