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東急電鉄

港北オープンガーデン見学ツアー&東急みど*リンク認定式

2018年5月12日(土)開催 —イベントレポート—

個人やグループが育てている庭や花壇を一般公開するイベント「港北オープンガーデン」。横浜市港北区によるその取り組みの一環として、慶應義塾大学・日吉キャンパス内の緑地の見学ツアーが開催されました。主催したのは、東急電鉄『みど*リンク』アクションの2018年度支援団体で、同所の緑を守り育てている「慶應義塾大学・日吉丸の会」の皆さん。当日の様子をレポートします。

イベント名 港北オープンガーデン見学ツアー&東急みど*リンク認定式
開催 2018年5月12日(土)
場所 慶應義塾大学・日吉キャンパス内緑地(まむし谷ほか)
最寄駅

日吉キャンパス敷地の約半分に広がる豊かな森を巡る!

集合場所となった日吉キャンパス入り口で、参加者に向かってあいさつをする日吉丸の会・代表の小宮さん。五月晴れのもと多くの参加者が集まり、ツアーは2班に分かれて行われることに。
熊野崖線に向かう途中で見つけたエノキの幼木。「国見坂の途中に立つ大きなエノキの実を鳥が食べ、種を運んだのでしょう」とガイドの伊藤さん。会ではエノキを増やす活動も行っています。
モミジイチゴ、カジイチゴ、ニガイチゴの3種の野イチゴが茂る“いちご道”。オレンジ色のカジイチゴの実がたくさん実っていました。
会のメンバーが雑木林と水辺の再生に取り組んでいる“一の谷”にて。緑のビブスを着た奥の男性の横に立つクヌギは、ドングリの実から育てた、通称“太郎くぬぎ”。
絶滅危惧種のホトケドジョウやメダカを保護し育てている“竜の子田圃”。当日はたくさんのキショウブが黄色い花をつけ、とてもきれいでした。

慶應義塾大学・日吉キャンパスは標高30mほどの台地の上にあります。台地を地図上の線でたどっていくと、鼻の長い動物のような形になるのですが、この“生きもの”を「日吉丸の会」では“日吉丸”と名付け、活動を象徴するキャラクターにしています。

実は日吉キャンパスの敷地の約半分には緑地が広がり、その規模は横浜市港北区でも最大級。緑地の中心には“まむし谷”と呼ばれる谷があり、日吉丸の会では、この谷の緑を守り育てる取り組みを30年近く続けています。活動のキーワードは「生きもののにぎわい」と「安全安心」。生物多様性の保全に貢献しながら、大雨による斜面崩壊などが起こらないよう、防災にも配慮した緑地管理を行っています。

見学ツアーは、日吉キャンパスに地域の人たちを招き、会のメンバーがお世話している豊かな緑地を見て回るというもの。参加者は日吉駅東側の日吉キャンパス入り口に集合。そこから銀杏並木を抜け、慶應義塾高校横にある国見坂から、緑広がるまむし谷へと向かいます。

日吉キャンパスの東端にある熊野崖線からは、どこまでも広がる平地が見えます。ここでガイドの伊藤さん(日吉丸の会・事務局長)から、「日吉キャンパスは、高尾山の麓から三浦半島まで続く多摩三浦丘陵群(いるか丘陵)の東端に位置している」と解説が。東側に広がる平地は縄文時代には海だったと考えられ、縄文人が住んでいた高台にあるキャンパス内からは、たくさんの遺跡が見つかっているとのこと。

続いて、開発の手を逃れた谷戸地形の斜面を眺めながら峠を下り、大きなメタセコイアの並木道を抜け、日吉丸の会が管理する“ひよ池”の前へ。まむし谷の中心に位置するこの池は、街の安全安心のための「防災調整池」。大雨の際ここに雨水を一時貯留することで、矢上川や鶴見川下流域の水害を抑制しています。また、まむし谷の貴重な水辺環境のひとつとして、「生きもののにぎわいを生み出すビオトープとしての顔も持つ」と伊藤さん。オオシオカラトンボやハナウドなど、水辺に生きる生きもののにぎわいを感じることができるそうです。

3種の野イチゴが茂る“いちご道”を通り抜けたら、ゴールの“一の谷”に到着です。ここは日吉丸の会のメンバーが、長年雑木林と水辺の再生に取り組んでいる特別な場所。もともとは杉ややぶが生い茂る暗い森だったのですが、会では2000年代初頭から杉ややぶを伐採、エノキやクヌギを植え、森を再生させていったそう。伊藤さんは参加者の目の前にある大きなクヌギを指さし、「2002年にドングリから育て始めた木です。(16年たった)今ではドングリの雨を降らせるような大木にまで育ちました」と説明。それを聞いた参加者の多くが、時間をかけて緑を育てることの大切さを感じた様子でした。

“一の谷”ではもうひとつ、会のメンバーが大切にしている“竜の子田圃(たんぼ)”と呼ばれる水辺も見学。ここはもともと土がぐちゃぐちゃになった湿地だったのですが、よく調べてみると湧き水が見つかりました。ここに水辺を再生することで、水を頼りに生きる虫や魚などの生きものが暮らせる環境を整えようと、ビオトープを作ったそう。水辺の環境は順調に回復。会では現在、絶滅危惧種のホトケドジョウやメダカが絶滅しないよう、矢上川流域で活動するさまざまな団体と協力し、流域全体で守り育てる活動を続けているそうです。

見学ツアーの後は、東急電鉄が沿線で緑の活動をしている団体を支援する『みど*リンク』アクションの、認定証授与式が行われました。日吉丸の会代表・小宮さんは、支援を受け「2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け、イギリスチームが滞在する予定の日吉キャンパスの花や緑のさらなる充実化を図りたい」とのこと。日吉駅前で花壇を作っている団体と協力し合ったり、イギリス式のガーデニング手法を取り入れたりと、新しい取り組みもいろいろ検討しているそうです。

見学ツアーを終えた参加者の中には、「日吉にこんな豊かな自然があるとは知らなかった」と感想を持つ人が多数。地域の人が、地元の自然やその自然を守り育てる活動に興味を持つきっかけになった、価値ある見学ツアーとなりました。

文と写真:庄司健一

更新:2018年6月18日 取材:2018年5月12日

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