スマートフォン用ページへ
東急電鉄

とくらく×LODチャレンジ2014 東急沿線 データビジュアライゼーション アイデアソン レポート 2014年11月22日(土) 二子玉川カタリストBA

東急沿線のデータを“見える化”しよう!

LODチャレンジJapan実行委員の高橋さん。
東急沿線のイベントの特徴をフリーのマイニングソフトを利用して可視化。

11月22日土曜日、二子玉川のカタリストBAで「東急沿線 データビジュアライゼーション アイデアソン」が開催されました。最近耳にすることが増えた「アイデアソン」。これはアイデア(Idea)とマラソン(Marathon)を組み合わせた造語で、特定のテーマに興味を持つ人が集まり、課題解決につながるアイデアを出し合い、それをまとめていくワークショップ形式のイベントのことです。今回は「とくらく」が開催している「東急沿線 データビジュアライゼーション コンテスト」に関連して開かれました。

主催側より「コンテスト」や、この日の内容について説明があったあと、イベント共催の『LOD(Linked Open Data)チャレンジJapan』実行委員の高橋さんより、「LODチャレンジJapan2014」の概要説明がありました。続いて、「データとデータを掛け合わせることで、新たな関係性の気づきが生まれる」ということに関連してアドバイスが。「とくらく」が公開しているデータと掛け合わせるデータの例として、総務省統計局国土数値情報などのデータを用いた具体例が紹介されました。

データをオープンにするってどういうこと?

オープン・ナレッジ・ファウンデーション・ジャパンの代表理事でもある庄司さん。
アプリを使って市民が地域の課題をレポートする「ちばレポ」。
街の変化の兆しを測るデータセットである「東急沿線ダッシュボード」はGLOCOMと東急電鉄が共同で手がけたもの。

アイデアソンのワークに先駆け、国際大学GLOCOMの庄司昌彦さんより、「オープンデータ」と「街の変化の兆しを測るデータセット」についてプレゼンテーションが行われました。
まず最初に「オープンデータは一言でいえば、自由に使えるデータ。営利、非営利を問わず、さまざまな取り組みで活用でき、サービスの創出などにつなげることができます」と庄司さん。行政機関、企業が持つデータで、個人情報、見せてはいけない情報を除いたものを、見せるだけでなく自由に使えるようにしておけば、必要性を感じた人が創意工夫をして、生活に役に立つようにしてくれるというわけです。

震災のあと、人の生活、特に非常時には情報が自由に使えることが大事だという認識が生まれ、政府もオープンデータの活用に対して積極的になったとのこと。政府の持っているオープンデータを機械で読める形式で出していこうとか、営利事業での利用を認めようという方向に進んでいるそうです。国土交通省、経済産業省を中心に全省庁で、すでに14000件のデータを出しているとのこと。
また地域という視点で見ると、横浜が国内では横綱級。市役所が率先してデータ提供をしており、「2014オープンデータデー」では、横浜は世界で2番目に多くの参加者があったそうです。一方、川崎市でも、市のデータを使い、宮前区をフィールドにして地域の課題解決をしていこうという動きがあり、フィールドワーク、アイデアソン、ハッカソン、マーケソンというステップを踏みつつ、実用可能なものを生み出そうという取り組みが進行しています。

また震災時を振り返ると、オープンデータにすることによって、電力使用量、放射線量、物資がどこにあるか…ということなどを見える化して、それをみんなが便利に使えるようにしてくれた人たちがいたそうです。カーナビのデータを使って、通れる道を見える化したということもその一つとのこと。

そのほか多くの事例を示しつつ、データがあると、「何かどこにあるのか」「どう変化したのか」「どんな関係性があるのか」など、いろんな切り口で地域のことを知ることができるという実例をご説明いただきました。

オープンデータをどう届けていくのか? 視覚化することの重要性

「インフォグラフィックス(静的なもの)」と「データビジュアライゼーション(動的なもの)」はどう違うのか。
「あひる」と「うさぎ」。どちらに見えますか?
ストローを赤くしたのは、口紅が付いたのが目立ちにくいから。うーん、なるほど!

続いてのプレゼンテーションは、専修大学教授でグラフィックデザイナーでもある上平崇仁先生。データを視覚化する技法、グラフィックデザインの観点からのデータビジュアライゼーションについてお話をいただきました。

まず、「なぜビジュアライズ(視覚化)するのか」という、以下3つの点から話はスタート。
①文章で書くより圧倒的にコンパクトに、そして明確に表現できる。
②一見おもしろくないものでも、それに対して効果的な編集をすることによって、「おっ」というものになる。
③ビジュアル自体は、言葉の壁を超えていろんな人に伝わる。

このように、視覚化するということは、理解をしやすくするためにすること。理解を促すために大切なポイントとして覚えておきたいことは、人間はまだ知らないことを理解するために、すでに知っていることを例えに使って理解する(=アナロジー)という点だそうです。例えば、だまし絵のように、絵は変わっていないのに、見方によって異なるものに見えるということがその好例。人は自分で目に映るものをそのまま受け取っているわけでなく、自分の内面にある、過去のものを照らし合わせて理解しているからだと、いくつかの実例を示しながらご説明いただきました。

情報量はどんどん増えるが、人は情報の摂取限界に達している現代。そんな情報化社会の中では、人の経験の中に組み込まないと届かないので、どう伝えるか、どう使われるかが大事とのこと。それは作る人と受け取る人とのコミュニケーションの問題であり、そのために意識しておきたいポイントは次の3つだそうです。
①なんとなく知っていることをもう一度知る、という視点を組み込む。
②対話を生み出す要素を取り入れる。
③視覚以外の身体的な要素を取り入れる。

これらの要素を取り入れることによって、利用する側に物語ができるはず。意外性のないデータでも、そこからどう考えるかのヒントが生まれてくるのでは、と示唆をいただきました。

データとデータを掛け合わせることで、見えてきそうなものを探す

二子玉川経済新聞に載りたい!ということで二子玉川情報に集中。
それぞれの得意分野を発揮しつつ、おおいに盛り上がりました。
データを読み込んでの所感を発表。

庄司さん、上平先生からのインプットを受けて、いよいよアイデアソンのスタートです。まずはお題となる提供データを知ることから…ということで、4人前後のグループに分かれ、とくらくから提供されたデータを読み込みます。

出席した皆さんには受け付け時に「デザインが得意な人」「システムが得意な人」「アイデア出しが得意な人」のうちどれにあたるかを表明していただいています。それらの得意分野が偏らないようにグループを組み、ワークがスタートしました。

今回は、東急沿線にお住まいの方のアンケート調査結果や、とくらくで収集した情報など、「東急沿線イベント情報データ」「暮らし向きを表す漢字一文字」「幸福度データ」「地域活動データ」「鉄道各駅乗降客数データ」といった5つのカテゴリのデータが提供されており、各グループ、思い思いにデータに取り組んでいました。

データの確認をしつつ、連携させて使うと何かを発見できそうなデータセットを探したり、各人の興味を披露したりと、時間がたつにつれ、盛り上がりが増していく会場内。“定期以外の乗降客数”が多い駅について「あそこには病院が多いから?」「和菓子屋と花屋が多い街は、住みやすい街らしいよ」と話が広がるチーム。また別チームは、サラリーマンのお小遣いや、団地についてのデータを提供データとリンクさせることで見えてくることがあるのでは、と議論していました。

ひとまず、データを見てわかったこと、考えたことなどを各グループの代表が発表。その後は、さらに具体的にデータを使って「こんなことを表現できそう」というアイデアのまとめへ向かって、ワークが進みます。

そのままグループで続ける人、個人で進める人とさまざま。 もくもくと作業する人、なごやかに語り合っているグループ、またデータを見ながら仮説を展開し「ドッ」と盛り上がるグループ。時間がたつにつれ、各グループ・個人の特徴が顕著になってきます。

アイデアを共有し、次のステップに繋ぐ

「もうタイトルも決めました!」キュートな手描きで“見える化”も。
「沿線ごとの生活感が見えてくると面白そう」と。
沿線のイベント情報を内容別にプロット。

2時間半があっという間に過ぎ、そこまで手掛けたものの発表を行います。今回はアイデアソンなので、完成品がなくてもOK。

手書きのラフを見せながら発表するグループ、口頭でアイデアの広がりについて発表するグループ、早速にビジュアル化した作品を披露する人。大いに笑いがとびかう楽しい場となりました。

そこで発表されたアイデアとしては…。
「暮らし向きを表す漢字一文字」を題材に、沿線に住んでいる人が選んだ漢字と、マンションの広告などに見られる周辺環境を示す漢字とを比べ、そのフィット&ギャップから見えてくるものを表現してみてはどうかとか、「鉄道各駅乗降客数データ」を利用して、定期外の駅利用者数を分析することにより、駅を起点に起きていることを分析できるのではという発表もありました。

また、二子玉川経済新聞の編集長が参加していたチームは、「ニュースに取り上げてもらえる情報を」と二子玉川を軸に、1チームで3つもアイデアを出す勢い。さらに東急沿線で行われているイベントをカテゴリ別に分析して、沿線ごとの特徴を表現したアイデアもありました。

そのほか、とくらくのデータとパーソントリップ調査、国勢調査などのデータを掛け合わせ、人の流れを可視化したらおもしろいのではというアイデア、「暮らし向きを表す漢字一文字」のデータを利用して、漢字の文字色と大きさでその時期の傾向を“見える化”した学生の方も。

データを繋ぐことによって広がる可能性を楽しむ

多くの人が夏には「暑」という漢字を選んでいるわけで…。
「この先が楽しみ」と上平先生。
「データを使って、組み合わせて、繋いで、とくらくのコンテストにもLODチャレンジのコンテストにも応募して欲しい」と庄司さん。

そしてトリに登場した上平先生の作品はラッピング電車。「暮らし向きを表す漢字一文字」のデータを使って、選んだ人が多かった漢字を大きくして車体に表現するという、意表をついたものでした。ネガティブな漢字がどどーんと大きく表現されているのには一瞬「ドキッ」としますが、嫌な気分も笑い飛ばしてしまおうという発想につながるかもしれません。 “見える化”したものをどこに表現するのか…ということも、重要なポイントかも、との声もありました。

笑いに包まれた発表も終わり、庄司さん、上平先生からそれぞれ講評をいただくことに。

上平先生は「興味深いデータがあって、その裏にあるものを探索する楽しみがある。いろんなデータを組み合わせて出てくるものを見てみたい」。そして庄司さんは「今回のように、民間企業でちゃんとしたオープンデータを出しているのは非常に珍しいこと。結構な量が提供されていて、味わいがいがあるなと実感した。」と、それぞれエールを送ってくださいました。

今回、とくらく主催「東急沿線 データビジュアライゼーション コンテスト」に関連して開催された「アイデアソン」。さまざまなスキルや興味を持つ人が集い、東急沿線に関連するデータをもとに自由な発想で語りあう場は、データを“見える化”することが、街の姿、そしてその街に存在する課題を解決する糸口になるのだということを、改めて確信させてくれました。

更新:2015年1月13日 取材:2014年11月22日

コメント

  • 本コメントはFacebookソーシャルプラグインを使用しており、これによって生じた損害に対して当社は一切の責任を負いません。
  • コメントを投稿するにはFacebookにログインする必要があります。

おすすめの記事